「ラビット・ホール」


 
 
ニューヨーク郊外に暮らすベッカ(ニコール・キッドマン)とハウィー(アーロン・エッカート)は、愛する息子を交通事故で失った悲しみから立ち直れず、夫婦の関係もぎこちなくなっていた。そんなある日、ベッカは息子の命を奪った少年ジェイソン(マイルズ・テラー)と遭遇する――
(画像とあらすじはYAHOO!映画より)
 
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル 脚本:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
 
だれも責めようがない、行き場のない悲しみを抱えた人の物語です。
アーロン・エッカート演じる夫は、悲しみを乗り越えよう、前に進もうという。
ニコール・キッドマン演じる妻は、悲しみはなくならない、今よりよくなることはないという。
夫は、毎夜見ていた、息子を映したビデオを消されて激怒する。
妻は、毎日子供のものを見るのはつらすぎると泣く。
ふたりが抱えている悲しみは同じなのに、向いている方向がちがうため、お互いを傷つけてしまう。
見ている私が男だからかもしれませんが、どちらかといえば夫の立場に共感しながら映画を見ていました。
ですが、遺族の集会セラピーで暴言を吐き、母の慰めを「麻薬で死んだ兄さんと私の息子の死を同列に扱わないで!」と拒絶し、ショッピングセンターでこどものおねだりを叱る母親に「それぐらい買ってあげなさい!」と平手打ちをくらわせる、そんな妻の、いわば“いい子ぶってない”悲しみもわかるような気がしました。
彼女の悲しみの出口として用意されたものは、加害者の少年ジェイソンが作ったコミック「ラビット・ホール」と、「悲しみはなくならないの?」という問いかけに対する母のことば――その内容は、映画を見て確認していただければと思います。
ニコール・キッドマンにとって、この映画は初プロデュース作品ということになるそうです。
このベッカという登場人物は、ニコール・キッドマン以外が演じるのは考えられない役柄でしたし、それに応えるアーロン・エッカートの演技も見事なものでした。
ただ、本筋からそれますが、アーロンが他の女性にちょっとよろめいてしまうところは、ニコールが美人すぎるだけに「ありえねー」と思ってしまいました(笑)。

コメント

Angel

No title
夫婦ではあっても、双方向ではない悲しみがせつなかったです。
ベッカは一見嫌な女性ですが、不器用なだけなんですよね。
ベッカの母の言葉は、少なからず喪失を経験した者にとって胸に響くと思います。
確かに「ありえねー」ですけど、ないものを求めると言いますからね(笑)

KOR

No title
angelさん>一番わかりあえるはずなのにすれちがってしまうところがね。
ベッカの不器用さに隠れている賢明さや愛情の深さも感じられました。
母親のセリフは本当によかったですね。
まあ、ニコールといえども完璧ではないですからね(^^;

タカ

No title
同じ悲しみなのに、方向性が違うだけで、癒しあえないなんて、夫婦だからこそ、つらいですね
自分ではどうしようもなく、見るもの・聞くものすべてが、悲しみをさらにえぐるようなものなんでしょうね…

KOR

No title
タカさん>事故自体が悲劇なのに、当事者同士がわかりあえないというのが最大の不幸ですよね。
でもたしかに悲しい映画なんですが、悲しいだけの映画ではないで、見終わったあとは少し心が暖まると思います。
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