悪霊 (ドストエフスキー・著 亀山郁夫・訳)/光文社古典新訳文庫




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最近わたしたちの町で、奇怪きわまりない事件が続発した。町の名士ヴェルホヴェンスキーとワルワーラ夫人の奇妙な「友情」がすべての発端だった‥‥‥。やがて夫人の息子スタヴローギンと、ヴェルホヴェンスキーの息子ピョートルが戻ってきて、呼び寄せられるように暗い波乱の気配が立ちこめはじめる――
(背表紙より抜粋)
 
ひとつ失敗したと思ったのが、私はこの本の刊行ペースに合わせてほぼ1年がかりで3巻を読んだのですが、
3巻そろったところで一気読みした方がぜったいにおもしろかったなということ。
物語のあらすじは覚えていても、登場人物のこまかい描写などは次の巻を読むころにはすっかり忘れていて、
著者がせっかくはった伏線なんかも、あとから読み返すと見事にスルーしてました。(ああ、もったいない。)
まあ、それはともかく。
さすがドストエフスキーというか、この作品もまた圧倒的なエネルギーを持っています。
村上春樹さんがドストエフスキーのことを、たしか「総合的な小説家」といっているのですが、そのことばどおり、ひとつの作品の中に政治も書くし宗教も書く、愛情も書くし犯罪も書く、人間界で起こるほとんどすべてが網羅されているといってもいいぐらい、いろいろなことが描かれていました。
「そうそう、この膨大で過剰な感じがドストエフスキーだよなぁ」とつくづく実感。
一般的には“革命勢力の内ゲバ物語”として認識されている(かもしれない)この「悪霊」ですが、私にとって一番魅力的だったのはヴェルホヴェンスキーとワルワーラ夫人との関係性でした。
友人は「悪霊」を、「気のよわ~いステパン(ヴェルホヴェンスキーのこと)とツンデレワルワーラの、大人の革命ちっく☆ラブコメディ」と見事に評しました(笑)。
革命勢力の話ももちろんおもしろいのですが、そちらはある程度先の展開が読めます。
けれどもヴェルホヴェンスキーとワルワーラ夫人のふたりがどうなるのかはまったく読めなくて、すべて読み終わったあとでも印象に残っているのは、ふたりのラストシーンでした。

コメント

タカ

No title
「大人の革命ちっく☆ラブコメディ」に、爆笑したしま
KORさん、大物を制覇したなぁと、感心していたところ、よもやのセリフですから(笑)
そうやって読んだら、かなりおもしろそうですね(^-^)

KOR

No title
タカさん>私がいったわけじゃないですけど、あまりにも名セリフだったので拝借させていただきました(笑)。ふざけているようで、あながち見当はずれのネーミングでもないんですよ? 機会があったら確かめてみてください。

Angel

No title
ドストエフスキーは、「罪と罰」で挫折して以来難解なイメージです(^^;
でも、今なら別の評価になるかもしれませんね。
あの頃よりは人間や人間界のことが、少しわかるようになりましたから(^w^)

KOR

No title
angelさん>さすが天使さま(笑)。私も昔だったらドストエフスキーの良さはわからなかったと思います。「罪と罰」は意外と難しいんですよね。

pynchon0

No title
こんばんは...♪
過去の記憶を辿って、、、。
読み応えがあったのでは...???

時代背景が解っても、難解だったナァ~。
流石、KORさん、素敵な感想、ありがとうございます...※+*※*+.+*※*+※.♪ポチ☆

KOR

No title
pynchon0さん>読み応えたっぷりでした(笑)。
現代訳で読みやすくなった分、少しわかりやすかったような気がします。
ポチありがとうございます☆

tomo

No title
ここ2年越し位かかって読んでいます(笑)それというのも一回読んだだけじゃ細かいところまで、読みきれないんですよね。本当に盛りだくさんで。登場人物も多いし。
読み終わってからどんなふうにブログに記事にしようかって悩んでたけど、ステパンとワルワーラ婦人のラブコメディって見たら気が抜けちゃいました(笑)

KOR

No title
tomoさん>脱力させてごめんなさい(笑)。まじめな感想を書こうとするとなかなかきりがないので、こんな感じの仕上がりであしからず、でした。
非公開コメント

プロフィール

kor2019

YAHOO!ブログから引っ越してきました。

月別アーカイブ