薄情 (絲山秋子)/新潮社




あらすじ:群馬に暮らす宇田川静生は、他者への深入りを避け日々をやり過ごしてきた。だが、高校時代の後輩女子・蜂須賀との再会や、東京から移住した木工職人・鹿谷さんらとの交流を通し、かれは次第に考えを改めていく。そしてある日、決定的な事件が起きる――
(本帯より抜粋)

小説の冒頭は平成26年豪雪。
群馬在住の作家として、あの時の経験は書かずにはいられなかったのでしょう。
「降り尽くした感があった。」という文章は当事者ならではの一言。
雪国に住んでる私も経験のない積雪(73センチ)ということもあり、非常に臨場感のあるレポートのようでおもしろかったです。
人から「感情がない」といわれ、自分でも何かが欠落していると感じる主人公なのですけど、読んでいる限り
ごくふつうの人。
Amazonのレビューに「むしろ『薄情』なのは主人公のまわりの人間」と書かれている方がいて、それは本当に
そのとおりだなと思いました。
薄情の描写が小津安二郎監督的にリアルというか(笑)。
そして主人公が「臍(へそ)を間違えた、という気がする。なんであの子を中心に生活を回してしまったんだろ」
「恋愛なんて負担が大きすぎたのだ。そのときは楽しんで充実しているつもりでも、感情は体力だ。使いすぎた
つけはあとでくる。」という場面は、独身男とし身につまされました(苦笑)。

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